Camera Raw【変形ツール】の使い方

アイキャッチ

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Camera Rawのツールバーの中にある[変形ツール]について解説します。

[変形ツール]はRaw現像をする上で使用頻度の高いツールです。広角レンズで撮った写真のパースを補正したり、水平や垂直などを補正できる便利なツールでCamera Rawを開けば必ずと言っていいほど使用するツールです。

三脚を使って撮影するときは水平をとって撮影すると思いますが、撮影後にパソコンで撮影した写真を見ると写真が微妙に傾いていることがあります。

現在では、カメラのピュレビュー画面に水準器が表示され、ほとんどその水準器で水平をとると思います。しかし、この方法で水平をとっても完璧に水平になっていることは少ないです。

目視ではわからない傾きも[変形ツール]を使用することによって補正が可能です。その他にも[変形ツール]には水平・垂直に関した補正を行うことができます。

Camera Raw 変形ツールの使い方

切り抜きツール

 

ツールバーの真ん中にあります。

先ほども言いましたが、カメラのプレビュー画面を使った水平をとる方法は完璧ではありません。しかし、Camera Rawなどのソフトを通すと思った以上に傾いて見えることが多々あります。

撮影後の写真をただパソコンで見た場合、人間の目ではわずかな傾きはわからないことがあるので僕は必ず[変形ツール]を通してチェックします。

[変形ツール]は水平や垂直などを補正してくれるとても便利なツールです。人間の目ではわからない傾きや垂直、また広角レンズで撮ったパースがかかった写真の補正などもできる優れものです。

パース
パースとは、“perspective(パースペクティブ)”の略です。意味は「遠近法」「透視図」ということです。(例)建物の上がすぼまっている写真など

自動で補正してくれるUpright

[変形ツール]の画面です。

切り抜きツール

右側のパネルで補正作業を行います。

それでは自動で補正をしてくれる[Upright]の解説を始めます。

その前に注意書きを確認してみましょう。

注意書き

「最適な結果を得るためには、Uprightを適用する前にレンズ補正を使用します。」と書いてあります。

この注意書きがでていると言うのは、[画質調整タブ][レンズの補正]でレンズプロファイルを適用していないということなので、正確な補正をする場合はレンズプロファイルを適用してください。

レンズプロファイルの適用方法はこちらをご覧ください。

アイキャッチ Camera Raw の使い方【画質調整タブの基本操作】

バランスの取れた遠近法の補正の適用

この「A」というアイコンを押すと、水平の補正を自動で行います。

パースに関しては完全に補正するわけではなく、パースの効き方を弱くしています。

tool03

補正01


水平補正のみを適用

この横のラインのアイコンは自動で水平の補正を行います。

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補正02


水平および垂直の遠近法の補正の適用

縦のラインのアイコンは水平を補正した上で、垂直方向の補正を行います。

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補正03


レベル、水平および垂直の遠近法の補正の適用

この格子のアイコンは水平、垂直、上水平を補正します。

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補正04


ガイドを描画して、遠近法の補正をカスタマイズ

このアイコンはガイドを使った補正を行うことができます。

tool07

補正05


ここまでは自動で補正をしてくれる機能でした。各アイコンによって異なる補正をすることができます。

こうして自動で補正かけた画像を、補正前と補正後を見比べるとその変化を見て取ることができましたが、この補正の結果は撮影した写真によってかなり違ってきます。例えば建物が垂直に補正されることあるし、あまり補正されない場合もあります。

このUprightという機能は自動で補正を行ってくれる便利な機能でもありますが、自動が故に自分の思った補正結果が得られないこともあります。

なので、参考程度までに覚えておく程度でいいと思います。


手動で補正

ツール08

先程までは自動補正の機能でしたが、ここからは手動補正の解説です。

僕は、Camera Rawで[変形ツール]を使うときは、ほとんど手動で補正します。やはり手動だと細かく補正できるメリットがあります。

その中でもよく使うのが傾きとパースの補正です。パースの補正は撮影した写真にもよりますが、パースを残したい場合はそのままにして、パースを補正したい場合は補正するといった感じです。

それでは上から解説していきます。

その前に手動で傾きや垂直を補正するときには、グリッドを表示して行うようにしましょう。こうすることで正確に補正を行うことができます。

[グリッド]にチェックが入っていない場合はチェックを入れてください。

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すると画面にグリッドが表示されます。グリッドの大きさはスライダーを動かして調節できます。

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グリッドの大きさを変えながらグリッドのライン目安に補正することができます。

スライダーを左へ-25動かします。

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D61_9891-14

縦のスライダーを左に(-25)動かしました。縦のスライダーを左のマイナスへ動かすことによって、パースが抑えられています。この補正では建物の垂直補正などができます。


スライダーを右へ+25動かします。

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D61_9891-15

今度は先ほどとは反対に右へスライダーを動かしました。

補正も先ほどとは逆に、よりパースがついて上がすぼまりました。


水平方向

スライダーを左へ-25動かします。

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左右

水平方向のスライダーを左に動かすと、向かって左側が前に、右側が奥になったようになります。

先ほどは縦のスライダーを動かした補正を見ましたが、ここではそれが横向きになったということです。


スライダーを右へ+25動かします。

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左右

水平方向のスライダーを右に動かしたので、補正の範囲が逆になります。


回転

スライダーを左へ-10動かします。

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回転

この[回転]のスライダーはよく使います。画像の水平はこの機能を使って補正します。グリッドのラインを見ながら画像の傾きを調整します。

スライダーを左に動かすと、反時計回りに画像が回転します。


スライダーを右へ+10動かします。

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回転

スライダーを右に動かすと、逆に時計回りに画像が回転します。

縦横比

スライダーを左へ-100動かします。

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縦横比

スライダーを左に動かすと画像が横に伸びたようになります。


スライダーを右へ+100動かします。

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縦横比

スライダーを右に動かすと画像が縦長になります。


拡大・縮小

スライダーを左へ50動かします。

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拡大縮小

スライダーを左に動かすと画像が縮小します。


スライダーを右へ150動かします。

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拡大縮小


スライダーを右に動かすと画像が拡大します。

オフセットX

スライダーを動かすと画像が左右に移動します。

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オフセットY

スライダーを動かすと画像が上下に移動します。

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その他のCamera Rawの使い方はこちらをご覧ください。
Camera Rawの使い方【レタッチ初心者にも優しく解説】

まとめ

Camera Rawの[変形ツール]は画像の傾きや垂直を補正できるとても便利なツールです。

raw現像をするときは習慣として1度は[変形ツール]の画面を開いて傾きや垂直をチェックしてみてください。

カメラ内部の水準計を使っている場合は、とくに傾きのチェックは必要です。