夜景撮影に挑戦してみたいけれど、設定が難しそう…そんなふうに感じていませんか?
夜景撮影は魅力的である一方、初心者にとってカメラの設定が複雑に思えるかもしれません。
しかし、基本的なポイントを押さえれば、特別な機材や高度な技術がなくても美しい夜景写真を撮ることができます。
このガイドでは、初心者でも簡単に実践できる「夜景撮影の設定」をわかりやすく解説します。
Iシャッタースピード、絞り、SO感度の関係など、夜景を撮る際に必要な基本的な設定を説明していきますので、カメラの操作に自信がない方でも安心です。
現在、夜景写真を撮っている人も、最初はカメラの設定がわからない夜景撮影初心者だったので、きっとあなたにもできます。
夜景撮影に必要な機材
夜景撮影に必要な機材は、カメラ、三脚、レリーズ(リモートコード)、予備バッテリー、メモリーカードです。
これらを準備することで、安定した美しい夜景撮影が可能です。
夜景撮影は、光が少ない環境での撮影になるため、以下の機材が必要です。
- カメラ
長時間露光ができるものが理想です。特に、マニュアル設定が可能な一眼レフやミラーレスカメラを使用することで、細かい設定ができ、よりクリアな写真が撮れます。 - レンズ
広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠のズームレンズがあると便利です。いろんな構図に対応でき自由度がたかくなります。 - 三脚
夜景撮影では、シャッタースピードが遅くなるため、手持ち撮影では写真がブレやすくなります。三脚を使うことで、カメラが安定し、ブレのないシャープな写真が撮影できます。 - レリーズ(リモートコード)
シャッターボタンを押すとカメラが少し動いてしまい、ブレの原因になります。リモコンやタイマー機能を使うことで、カメラに触れずにシャッターを切ることができ、ブレを防ぎます。 - 予備バッテリーとメモリーカード
夜景撮影は時間がかかるため、バッテリー消費が激しくなります。また、撮影するデータ量が大きくなるので、容量の余裕のあるメモリーカードが必要です。
展望などなどから夜景撮影をするときは、「暗幕」や「忍者レフ」などの映り込みを防止するアイテムが必要になります。
夜景撮影には、適切な機材が必要不可欠です。
特に三脚とレリーズを使うことで、ブレを抑えた美しい写真が撮れます。
予備バッテリーやメモリーカードの準備も忘れずに行いましょう。
夜景撮影に適したカメラやレンズの選び方
夜景撮影には、一般的な一眼レフカメラや一眼ミラーレスカメラで十分対応できます。
また、レンズに関しては、広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズがあれば、さまざまなシーンに柔軟に対応できます。
夜景撮影においては、カメラの種類よりも機能性が重要です。
最近の一眼レフカメラやミラーレスカメラであれば、ほとんどが夜景撮影に必要なマニュアルモードを搭載しています。
また、センサーサイズが大きいほど夜間の光を取り込みやすく、ノイズの少ないクリアな写真が撮影できますが、APS-Cサイズのカメラでも十分対応可能です。
- 広角ズームレンズ
広い範囲を撮影したいときに便利です。都市の夜景や広がる空を撮影するときに役立ちます。焦点距離が16mm-35mm程度のレンズが理想です。 - 標準ズームレンズ
普段使いから夜景撮影まで幅広く対応できる便利なレンズです。焦点距離が24mm-70mm程度のレンズで、柔軟にさまざまなシーンに対応できます。 - 望遠ズームレンズ
遠くの光や夜景の一部をクローズアップしたい場合に使えます。焦点距離が70mm-200mm以上のレンズを使用すると、遠景のディテールを美しく捉えることが可能です。
レンズは、広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠のズームレンズを揃えることで、さまざまなシーンに対応でき、夜景撮影の幅が広がります。
それぞれのレンズを活用することで、広がる夜景から遠くの光まで美しく捉えることができます。
三脚の使い方と安定した撮影のコツ
三脚は夜景撮影でのブレを防ぐための必須アイテムであり、安定した撮影を行うための正しい使い方が重要です。
カメラのブレを最大限に抑えるため、三脚はしっかり固定し、レリーズ(リモートコード)を併用しましょう。
夜景撮影では、シャッタースピードが遅くなるため、カメラの少しの振動でも写真がブレる可能性があります。
そのため、三脚の使い方は以下がポイントです
- しっかりと地面に固定する
三脚の脚は広く開き、安定感を高めます。地面が平らでない場合は、重りやバッグを三脚の中央部分にかけることで安定性を増すことができます。 - レリーズ(リモートコード)を活用
シャッターを押す際に手ブレを防ぐため、レリーズ(リモートコード)を使用すると、手でカメラを触れずにシャッターを切ることができます。セルフタイマーやリモコンでもいいです。 - 手ブレ補正のオフ
カメラやレンズに手ブレ補正機能が付いている場合、三脚使用時にはこの機能をオフにするのがおすすめです。三脚に固定されているにもかかわらず、手ブレ補正が誤作動することがあるからです。
三脚は夜景撮影において不可欠な道具です。
しっかりと地面に固定し、レリーズ(リモートコード)を併用することで、ブレを最小限に抑えることができます。
手ブレ補正をオフにすることも忘れずに行いましょう。
三脚とレリーズはセットだと思ってください。
夜景撮影はマニュアルモードで撮影
オートモード | すべてカメラが自動で設定。手軽に撮影できます。 |
---|---|
P. プログラムオート | シャッターと絞りの両方の値をカメラが自動で制御します。 |
S. シャッター優先オート | シャッタースピードを自分で設定できます。絞り値はカメラが自動で制御します。 |
A. 絞り優先オート | 絞り値を自分で設定できます。シャッタースピードはカメラが自動で制御します。 |
M. マニュアル | 絞り値とシャッタースピードを自分で設定します。(夜景撮影はこのモード) |
カメラには大きく分けて5つの撮影モード(露出モード)がありますが、夜景撮影ではマニュアルモードを使用することが最も効果的です。
これにより、シャッタースピード、絞り値、ISO感度などの設定を自分で細かく調整でき、思い通りの仕上がりに近づけることができます。
夜景撮影では、光量が少なく、カメラが自動で判断する露出設定では適切な写真が撮れないことが多いため、マニュアルモードが必要です。
マニュアルモードとは、カメラのシャッタースピード、絞り値(F値)、ISO感度などの設定を自分で手動で調整できるモードです。
自動で撮影するプログラムオートとは異なり、すべての撮影パラメーターをコントロールできるため、夜景のような特別な環境での撮影に適しています。
マニュアルモードは、夜景撮影のような特殊な状況で自分の思い通りに写真を仕上げるために欠かせないモードです。
- シャッタースピード
シャッタースピードを遅く設定することで、カメラに光を長く取り込むことができ、夜景のディテールが明るく映し出されます。 - 絞り値(F値)
絞り値を調整することで、写真の明るさやボケ感をコントロールします。F値を小さくすると、カメラが多くの光を取り込めるため、暗いシーンでも明るく写せます。 - ISO感度
SO感度を上げることで、暗い環境でも写真を明るく撮影できますが、高すぎると写真にノイズが入る可能性があります。
シャッタースピード、絞り値、ISO感度を自分で調整できるので、理想の夜景を鮮明に、かつ美しく撮影することが可能になります。
撮影した画像データの記録(保存)方式
夜景撮影では、RAW形式で画像を保存するのが最もおすすめです。
RAW形式はデータの圧縮が行われず、撮影後の編集に最適で、高画質の写真を得られます。
写真の記録方式には主にJPEGとRAWの2つがありますが、夜景撮影においてはRAW形式が適している理由は以下の通りです。
- JPEG形式
圧縮されたデータ形式で、ファイルサイズが小さく、カメラ内で自動的に色や明るさが調整されます。しかし、この圧縮によって画像の一部のデータが失われ、後からの編集が難しくなります。 - RAW形式
カメラが捉えた情報をそのまま記録する形式で、色や明るさなどを後から自由に編集できます。夜景撮影は光量が少ないため、撮影後の編集で明るさやノイズを細かく調整することが求められる場合が多く、RAW形式が最適です。ファイルサイズは大きいですが、撮影時の情報を最大限保持できるため、特に夜景の細部を再現しやすくなります。
保存形式 | 特徴 | ファイルサイズ | 編集の自由度 |
---|---|---|---|
JPEG | 圧縮済みで保存 | 小さい | 低い(編集時に劣化しやすい) |
RAW | 未圧縮で保存 | 大きい | 高い(後から詳細な調整が可能) |
夜景撮影では、編集の自由度が高く、詳細な調整が可能なRAW形式で保存することが理想的です。
JPEG形式は手軽ですが、データの一部が失われるため、特に夜景のように微細な調整が必要な撮影には向いていません。
RAW形式を活用することで、美しく仕上げる可能性が広がります。
マニュアルモードは、カメラに設定を任せにせず、自分で撮影の設定をコントロールできます。
特に夜景撮影では、光が少ないため、露出やシャッタースピード、絞りの細かな調整が重要です。
このモードを使いこなすことで、自分の思い描く理想的な写真が撮影できるようになります。
絞り値とシャッタースピードを自分で設定するとなると、夜景写真初心者にはちょっとハードルが高いように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
マニュアルモードは自分で露出を調整する
マニュアルモードでは、自分で絞りとシャッタースピードを調整することで、露出を完全にコントロールできます。
これにより、被写体に合わせた適切な明るさや動きの表現が可能になります。
マニュアルモードでは、以下の2つを自分で設定することがポイントです。
絞りとシャッタースピードは密接に関わっており、バランスを取りながら設定することが重要です。
両方を調整することで、明るさをコントロールし、思い通りの写真を撮影できます。
絞りは、カメラのレンズを通過する光の量を調整します。絞りを開く(F値を小さくする)と、光が多く入り、背景がボケやすくなります
逆に絞りを絞る(F値を大きくする)と、光の量が減り、背景までシャープに写ります。
シャッタースピードを遅く設定すると、光を長く取り込むことができ、暗いシーンでも明るく写せます。
暗い場所でも明るく撮れますが、動いている被写体がブレやすくなります。
逆に、シャッタースピードを速く設定すれば,動きが止まったようにシャープな写真になりますが、光の量が少なくなるため暗くなりやすいです。
絞りの目安は、f/8〜f/16です。
まず、構図を決めピントを合わせたら、最初に絞り値を決めます。
その後はカメラ内(ファインダーかライブビュー)のインジケーターを見ながらシャッタースピードを決めるだけです。
カメラには下の図のようなインジケーターがあるので、インジケーターを見ながら目盛りが0ゼロ(真ん中)のところにくるようにシャッタースピードを調節するわけです。
目盛りが0(ゼロ)のところが適正露出です。
基本は、構図を決めピントを合わせてから、最初に絞り値を設定して、その後にシャッタースピードを調節しながら適正露出にしましょう。
適切なISO感度の設定
夜景撮影では、ISO感度はできるだけ低く設定することが基本です。高すぎるとノイズが発生しやすくなるため、シャッタースピードや絞りと組み合わせて、最適な感度を見つけることが重要です。
ISO感度は、カメラのセンサーが光をどれだけ敏感に捉えるかを示す設定です。
ISO感度を上げると、暗い場所でも明るく撮れますが、その分ノイズ(ザラついた画質)が発生しやすくなります。
- 低ISO感度(100〜400程度)
できるだけ低い感度に設定することで、ノイズを抑え、クリアな写真が撮れます。シャッタースピードを遅くして光を多く取り込むことで、ISO感度を上げずに明るい写真が得られます。 - 高ISO感度のリスク
ISO感度を高くすると、ノイズが増えるため画質が劣化しやすくなります。
適切なISO感度の設定は、ノイズを抑えつつ明るさを確保するために重要です。
夜景撮影では、シャッタースピードや絞りと組み合わせて、できるだけ低いISO感度を使うことで、クリアで美しい写真が撮影できます。
基本は、ISO感度:100です。
なんとなく理屈がわかったら練習する
マニュアルモードの基本的な理屈をある程度理解したら、実際にカメラを手に取り、実践的な練習を積むことが重要です。
理論を知るだけでは、実際の撮影に応用するのが難しいため、繰り返し練習することで確実にスキルを身につけられます。
マニュアルモードは、カメラの絞り、シャッタースピード、ISO感度を自分で調整するため、最初は設定に戸惑うことが多いです。
しかし、実際に練習することで、これらの設定のバランスを取る感覚が身につきます。
- 理屈だけでは身につかない
絞りやシャッタースピード、ISO感度の関係は理解しても、実際にその場の光量やシーンに合わせて適切に設定するのは難しいことがあります。練習することで、設定を素早く調整できるようになります。 - 設定の感覚をつかむ
例えば、シャッタースピードを遅くしたときにどのように写真が変わるのか、絞りを開くと背景がどうなるのかを体験することで、自分の感覚として理解が深まります。 - 実際の撮影シーンに対応できるようになる
風景や夜景、動く被写体など、シーンごとに求められる設定は異なります。マニュアルモードの練習を通じて、さまざまな状況に対応できる経験が蓄積され、どの場面でも理想的な設定を選べるようになります。
夜景撮影では、光量が少なくピントが合いにくいため、ピントを正確に合わせるためのテクニックが重要です。
オートフォーカスだけでなく、マニュアルフォーカスの使い分けやフォーカスポイントの設定を駆使することで、クリアでシャープな夜景写真を撮影することが可能になります。
オートフォーカスとマニュアルフォーカスの使い分け
夜景撮影では、状況に応じてオートフォーカスとマニュアルフォーカスを使い分けるのが理想的です。
オートフォーカスは便利ですが、暗い環境ではピントが合いにくいことがあるため、マニュアルフォーカスを活用する場面も多くあります。
オートフォーカスは、通常の撮影シーンで非常に便利です。特に、街灯や建物のライトなど、強い光源がはっきりしている場合はスムーズにピントが合います。
初心者でも手軽に使えるため、光量が十分な部分ではオートフォーカスを使用しましょう。
一方で、夜景撮影では、暗い場所や光が拡散しているシーンではオートフォーカスがうまく機能しない場合があります。
特に遠景の撮影や暗い空間での撮影時には、マニュアルフォーカスを使って自分でピントを合わせることが必要です。カメラのライブビュー機能を使って拡大表示しながら、ピントを微調整するとより正確に合わせられます。
ピントを正確に合わせるための実践的な手順
ピントを正確に合わせるには、ライブビュー機能を使って拡大表示しながら、手動で微調整することが効果的です。
オートフォーカスに頼るだけではなく、マニュアルでの微調整が成功の鍵です。
夜景撮影では、光量が少ないためピントがずれやすくなります。
以下の実践的な手順で、ピントを正確に合わせることができます。
- ライブビューを使う
ライブビュー機能をオンにして、画面を拡大し、ピントを合わせたい部分をしっかり確認します。これにより、ファインダー越しに見るよりも、より詳細なピント調整が可能です。 - フォーカスリングで微調整
マニュアルフォーカスモードに切り替えて、フォーカスリングを少しずつ回しながら、ピントを合わせたい場所がシャープになるまで調整します。拡大した状態で調整することで、細かいズレも防ぐことができます。 - ピントを遠景に合わせる場合
風景全体を撮りたいときは、無限遠(∞)の位置にピントを合わせるのが一般的です。ただし、無限遠に設定しても必ずしも全てがシャープになるわけではないので、ライブビューで確認しながら微調整が必要です。
ピントを正確に合わせるためには、ライブビュー機能で拡大表示し、マニュアルフォーカスで慎重に調整することが重要です。
これにより、細部までシャープな夜景写真を撮影することができます。
失敗しないためのフォーカスポイントの設定
夜景撮影では、中央の光源や明るい場所にフォーカスポイントを設定することで、ピント合わせがより簡単になります。
特に暗い部分ではピントがずれやすいため、明るい場所にフォーカスを合わせることが成功の秘訣です。
夜景では、暗い場所や光が少ない部分はピントが合いにくい傾向があります。
そのため、以下のポイントに気をつけると失敗を防ぐことができます。
- 明るい部分にフォーカスポイントを設定
ビルのライトや街灯など、明るい場所にフォーカスポイントを設定すると、オートフォーカスでもピントが合いやすくなります。これにより、手動での微調整が少なく済みます。 - シングルポイントAFを使用
カメラのフォーカスモードでシングルポイントAFを使うと、特定の場所に確実にピントを合わせられます。夜景撮影では、被写体の一部にピントを合わせることが多いので、このモードを活用しましょう。 - フォーカスポイントを明るい場所に設定した後に構図を調整
まず、明るい場所でピントを合わせ、その後にカメラの構図を調整すると、シャープな写真が得られます。これにより、全体的な構図がずれにくくなります。(カメラの機種にもよりますが、シングルポイントAFのポイントエリアが広い場合は、構図の調整は必要ありません)
フォーカスポイントを明るい場所に設定することが、夜景撮影でのピント合わせの成功につながります。
シングルポイントAFを活用し、ピントを合わせた後に構図を整えることで、失敗を防ぎ、シャープな写真を撮影することができます。
夜景写真でいい写真には、いろいろな要素はありますが、まずは「コレ!」という第一条件があります。
それはピントが合っている写真です。
とくに都市夜景の写真は全体にピントが合っている写真がきれいです。
夜景写真では「ブレ」が大敵です。
せっかく良い構図で撮った写真がブレていてピントが合ってなかったら残念です。
夜の撮影は暗いところが前提なので、シャッタースピードは遅くなります(長秒露光)から、その間にカメラが動いたらブレてピントが合っていない写真になります。
シャッタースピードが遅いと、ほんの少し三脚に触っただけでもブレてしまいます。
意外にやりがちな失敗が、レリーズを持ったまま自分では気づかないうちにレリーズをちょっと引っ張っていてカメラが動いてブレた写真になってしまうこと。
これが結構ショックなんです。
ブレない写真を撮るためにレリーズを使っているのにブレている写真になってしまうのですから。
そして、強風も夜景撮影の大敵です。
三脚が動いてしまうほどの強風の時は、撮影を中断するか、諦めたほうがいいです。
夜景写真はブレないように気をつけましょう。とくに都市の夜景写真や工場夜景の写真はブレないようにきっちりピントが合った写真を目指しましょう。
夜景撮影では、日中の撮影では得られない光の軌跡を美しく表現することができます。
シャッタースピードを長く設定することで、動く光が写真の中で流れるように映り、幻想的で動きのある作品を作り出せます。
光の軌跡を表現できるのは、夜景撮影ならではの特徴です。
- シャッタースピードの調整で動きを捉える
シャッタースピードを遅く設定(数秒〜数十秒)すると、カメラのセンサーが光を長く取り込みます。これにより、車のヘッドライトや通り過ぎるバイクのライト、星の動きなど、動きのある光が線のように映し出されます。日中の撮影では光が強すぎて、この効果を得ることが難しいですが、夜景では暗い背景が光の軌跡を際立たせます。 - 動きのある被写体が豊富
夜景撮影のシーンには、街中を行き交う車のライト、飛行機の航跡、花火、星が回る夜空など、動く光が多く存在します。これらの動きのある光を活かして、静止画に動きの要素を加えることができるのが夜景撮影の醍醐味です。 - クリエイティブな表現が可能
例えば、車のライトを川の流れのように撮ったり、夜空の星を長時間露光で捉えて星の軌跡を描いたりすることで、日常とは異なる幻想的な写真が完成します。
夜景撮影だからこそできる光の軌跡の表現は、シャッタースピードの調整と暗い背景を活用して、動く光を美しく捉えることがポイントです。
車のライトや星の軌跡などを利用して、初心者でも簡単に幻想的でダイナミックな作品を作り出すことができます。
夜景撮影は、撮影したままの写真を楽しむだけでなく、撮影した画像データをフォトレタッチをすることで美しく仕上げることができます。
RAW現像を活用すれば、暗さや色合いを細かく調整し、理想の仕上がりに近づけることができます。
RAW現像で夜景を鮮やかに仕上げる方法
RAW現像は、夜景写真を鮮やかに仕上げるために必要な作業です。
RAW現像は、撮影後の画像データの露出やホワイトバランス、シャドウ部分を自由に調整できるので、写真のディテールを引き出し、理想の仕上がりを実現できます。
RAW形式で撮影すると、カメラが捉えた全てのデータがそのまま保存され、JPEGのように圧縮されません。
これにより、後からの編集で大きな調整が可能になります。
具体的にどのような調整ができるかを以下に示します。
- 露出の調整
撮影時に暗すぎた写真でも、後から明るさを調整してディテールを復元できます。特に夜景では、暗い部分を明るくすることで、細部の美しさを引き出せます。 - ホワイトバランスの調整
夜景の色合いが気に入らない場合、ホワイトバランスを変更して、暖かい色合いや冷たい色合いを自由に設定できます。これにより、夜景の雰囲気を自分の好みにカスタマイズできます。
RAW現像を使うと、夜景写真の露出やホワイトバランス、シャドウの調整が可能で、写真を鮮やかに仕上げることができます。
より魅力的な夜景を表現でき、理想の夜景写真を作り上げることができます。
フォトレタッチで写真をプロのように仕上げる
フォトレタッチを活用すれば、撮影後に写真をプロのように仕上げることが可能です。
カラー調整やシャープネスの調整、不要な要素の除去などを行うことで、写真の質を大幅に向上させられます。
フォトレタッチは、写真を仕上げる最終ステップです。
以下のテクニックを使うと、写真がより洗練されたものになります
- カラー調整
写真の色合いを調整することで、より鮮やかな色彩や自然な色合いを引き出すことができます。特に夜景では、光の反射やネオンの色が重要な要素となるため、カラー調整で色を強調することで印象的な仕上がりにできます。 - シャープネスの調整
シャープネスを調整することで、写真のディテールを際立たせ、よりクリアでプロフェッショナルな見た目にすることができます。特に夜景では細かな部分がぼやけがちなので、シャープネスの調整は重要です。 - 不要な要素の除去
カメラに写ったゴミ(センサーの汚れ)や夜景の雰囲気を壊す要素が写り込んでいる場合、それらを除去することでクリーンな仕上がりになります。PhotoshopやLightroomなどのツールを使えば簡単に削除できます。
フォトレタッチを行うことで、色彩の調整やシャープネスの向上、不要な要素の除去を通じて、写真をプロフェッショナルな仕上がりに近づけることができます。
少しの調整で、夜景写真の印象を大きく変えることができるため、フォトレタッチはぜひ活用すべき技術です。
初心者でも楽しめる夜景撮影場所
初心者におすすめの夜景撮影場所は、光が多い場所です。
ビル群や街の明かり、ライトアップされた象徴的な建造物がある場所、展望台を選ぶことで、手軽に美しい夜景を撮影できます。
ビル群やライトアップされた建造物は、自然なコントラストが生まれ、夜景撮影において素晴らしい被写体になります。
関東で有名な夜景撮影場所としては、横浜みなとみらいや東京駅の夜景は特に人気です。
夜景を最高に撮影できる2つの時間帯
夜景を美しく撮影できる2つのベストタイミングは、日没直後のマジックアワーと完全に暗くなった夜です。
それぞれ異なる雰囲気を撮影できるため、夜景撮影を楽しむならこの2つの時間帯を意識すると良いでしょう。
マジックアワーは、日没後約30分〜1時間続く薄明かりの時間帯です。
この時期は、空がまだ青や紫に染まっており、街の明かりと自然の光が美しく調和します。
空の色が濃く変化し、光のコントラストが絶妙で、ドラマチックな雰囲気を演出できます。
このタイミングは、建物のライトアップと空の自然光を組み合わせた美しい写真が撮れます。
空が紫や赤く染まる様子を「空が焼ける」といいいますが、カメラマンの間では一段と濃く空が焼けることを「爆焼け」と呼ぶ人もいます。
空が完全に暗くなると、街の光源だけが際立ちます。
このタイミングでは、建物の明かりや車のライト、ネオンが主役となり、都市の夜景がよりシャープに映し出されます。
特に、ビル群やライトアップされたモニュメントは夜間の光に映え、よりインパクトのある写真が撮れます。
この記事では、初心者向けに夜景撮影に必要な設定について詳しく解説しました。
夜景撮影は、基本的なカメラの設定を理解すれば、誰でも美しく幻想的な写真を撮ることができます。
設定が難しいと感じるかもしれませんが、この記事で紹介したポイントを押さえれば、夜景撮影に対する不安は解消されるはずです。
最後に、特に重要なポイントをおさらいします。
- マニュアルモードを活用する
自分で露出をコントロールするために、絞り、シャッタースピード、ISO感度を調整することが大切です。 - シャッタースピードと絞りの関係を理解する
シャッタースピードを遅くすると、光の軌跡を表現でき、絞りを調整すると、背景のボケ感をコントロールできます。 - ISO感度は低めに設定する
ISO感度を高くするとノイズが増えるため、できるだけ低めに設定し、シャッタースピードや絞りで明るさを調整しましょう。 - オートフォーカスとマニュアルフォーカスを使い分ける
状況に応じて、ピントが合いにくい場合はマニュアルフォーカスを使用すると、よりシャープな写真が撮れます。 - 実際に撮影して練習する
理屈を理解するだけでなく、実際に撮影して感覚をつかむことが大切です。さまざまな設定で撮影してみましょう。
夜景撮影は撮影を重ねることでスキルが向上し、より理想的な写真を撮れるようになります。
また、撮影後のフォトレタッチを行うことで、自分が求める理想の写真に仕上げることができるので、ぜひフォトレタッチを行って下さい。
ぜひ今回学んだ設定を使って、素晴らしい夜景写真に挑戦してみてください!